あたしと彼と白いキャンバス

「え?」

「家を出た日に見たんだ。あの時と一緒だ」


先輩の言葉の意味がよくわからなくて、あたしは首を傾げてみせる。


「あの夜、丁度このくらいの時間だ。俺はこの辺りをふらふらしていて、校門を乗り越えていくあの男を見た」


…それはつまり、どういうことだ?


「あの時、俺も忘れ物を取りに入ったのかと思ったんだけど、」



時間は深夜2時過ぎ。

しかも、少なくともこれで2度目。


確かに不自然ではある。



いや、それどころか――。



きっと、あたしと先輩の考えは一致した。