あたしと彼と白いキャンバス

人影はしばらくうろうろしてから、校門に手足をかけて、


「…あ」


校門を乗り越えた。


「ん?」


あたしの声と視線を辿って、先輩も学校へと目を向けた。


「今、誰かが学校に入っていって」

「校庭にいる人?」

「はい。忘れ物でも取りに行ったのかな」


人影は校庭を横切り、校舎へと歩いている。

黒い服を着込んでいて、顔まではわからない。



「――あの男、見たことがある」


篠宮先輩が小さく呟いた。