あたしと彼と白いキャンバス

口に入れたケーキは柔らかく、甘い。


「エリカの喘息ってそんなに悪いの?」

「まあ、よくはないな。…昨日、呼吸困難に陥っているエリカを見てこちらが死にそうになったよ」


コーヒーは苦い。すごく。

舌が甘さを忘れるくらいに。


「最初はただ咳き込んでいるだけだったんだ。それがどんどん酷くなって、しまいに意識を失って…」


いやだ、想像したくない。

あの小さなエリカが苦しむ姿なんて。


それを見ていたお父さんとミカさんは、どれだけ辛かったんだろう。



「もうあんな発作は見たくない」

「…引っ越しすれば治るの?」


お父さんは腕を組み、難しい表情をする。