あたしと彼と白いキャンバス

店内はあたしの記憶のままだった。

山小屋風の内装に、雰囲気のある石油ストーブ。

ショーケースに並んだケーキは大きめで素朴だけどすごく美味しいって、この辺では有名だ。




コーヒー2つと苺ショートケーキを注文して、木製の椅子に背中を預ける。


「…お父さんはこれから病院に行くの?」

「ああ」



お父さんの顔には疲労の色が滲んでいる。

目の下にクマ。


エリカが倒れてから一睡もしてないんじゃないだろうか。



「今日ぐらい、仕事休めばよかったのに」

「そういうわけにもいかない」


あたしの言葉を受けて、お父さんは首を振った。