あたしと彼と白いキャンバス

光に溶けて消えてしまいそうな淡く美しい景色。


『まるで、絵だ』


そう、絵だ。
篠宮先輩の部屋で見た、優しい水彩画。

ここはあの絵の中なんだ。

薄く儚い絵の具から、あたたかい気持ちが伝わってくる。



『これは誰の気持ちなんだろう?』



――これは誰の絵なんだろう?





深い夢の中にいるあたしは、枕元で何度も震える携帯に気づかなかった。


新太郎先輩からの電話にも、

志乃からのメールにも。