あたしと彼と白いキャンバス

地面を打つ雨はザアザアと強く響く。




顔が整っていて背が高くて頭が良くて絵が上手くて家は金持ちで。


そんなふうに自信に満ち溢れているように見えていた先輩が、

あたしの目の前で小さく震えている。



こんな状態の先輩を部屋から追い出す気には、とてもなれない。




「…とりあえず、ココア飲んでください。今日は泊まっていってもいいですから」


先輩はゆっくりと顔を上げた。

少し驚いたように瞳を瞬かせる。


「床に寝てもらいますから、身体中痛くなっても知りませんけど」


ああ、こんな言い方しかできない。

あたしって可愛くないな。