あたしと彼と白いキャンバス

全ての授業が終わって、放課後。

あたしはいつものように美術室に向かう。




美術室の扉を開けると、先客がいた。

イーゼルを前に油絵を描いていた篠宮先輩がこちらを振り返った。


「あ、小早川さん。昨日は学校休んでたんだね」

「はい。サボリです」


先輩はポカンと口を開け、それから軽い笑い声を漏らす。


「先輩。窓、開けないんですか?」

「あー、うん。寒くて。もうちょっとしたら開けるよ」


美術室は温かかった。

換気が出来ていないせいで、テレピン油のにおいが室内に滞留している。