あたしと彼と白いキャンバス

お値段高めのレストランみたいな食事が部屋に運ばれてくる。

使用人は優しそうなおばちゃんだった。


「先輩の家って、なんか由緒正しい家柄とかなんですか?」


椅子に座ったあたしは、テーブルの向こうにいる先輩に尋ねる。

ああもう、
ナイフとフォークが使いにくい。


「ただの成金だよ。爺さんが商売上手でね。この家も爺さんの趣味」

「へえ…。会社経営?」

「うん。なんかいろんな会社があるよ。今は父さんが継いでるけど」

「先輩も継ぐんですか?」




先輩は優雅に両手を動かしながら、流れるように言葉を紡ぐ。


「継がないよ。俺は出来損ないだから」