今日もまた、ハゲ先生の目線を気にしながら、職員室を出て教室へ向かう。

俺、坊主にしたほうがいいのかなぁ……?

少し髪の毛を気にして、教室に入る。

みんなはもう着席していて、どこか重い雰囲気を醸し出していた。


……枝垂は、いない。

昨日、公園で死んでいるのが見つかった。

殺され方が物凄くグロかった、らしい。

思い出しただけで、お腹が気持ち悪くなる。

「……みんな、その……」

こういうとき、何かを伝えたくても、うまく伝えられない自分が歯がゆい。

そのとき、とても澄んだ声が聞こえた。

「……枝垂さんの分も、私達が生きましょう」

その声の主は、石蕗。

石蕗はとても悲しそうな顔をして、そう言った。

……そりゃ、そうだよな。

俺も、石蕗と枝垂がよく話していたのを知っている。

そんな友達が死んでしまったんだ、当然だろう。