この空間は、いつ来ても怠い。

クーラーが効きすぎてるし、空気も重苦しい。

「先生、この資料も頼むよ」

「あ、はい」

俺……向日 葵(コウガアオイ)の勤めるこの中学校は、若い人が少ないからか、よく雑用を任されたりする。

……なんで俺ってこんなに若いんだろー、なんて思ったりしないぜ。

だって隣の先生(生徒からのあだ名はハゲ)の視線が痛いから。

詳しく説明すると、先生の視線は俺の一番上のとこ……すなわち、つむじ、所謂フサッとしたところを見ているわけでありまして。

俺だって良心を掛け合わせてるから、心が痛む。

……フサッとしてて、すいません、はい。