帰りの電車で仕事帰りの男達を見つめる


疲れた身体に鞭打って、またまた家庭でサービスするの?


日曜日は遅くまで寝かせてもらえず、奥さんや子供の相手…


妻はいつしか子供にしか愛情を注がなくなり、夫は置き去り


ねえ、あなたたちはそれでも結婚してよかったと思ってるの?


そして私もいつかそんな妻になるのかと思うと、背筋が寒くなる


酔って憂さを晴らす世の男性よ、ご苦労様である


部屋に帰ると留守電が入っていた


多分お母さんからだと思う。私は先にお弁当箱を洗って、明日の具材を用意していた


こんな私でも料理はできるのである


電話がなった


慌ててでると、お母さんだった


『留守電いれてたでしょう?聞いた?』


『今帰ってきたところなのよ。まだ聞いてない。何か用事?』


『あのね、美沙子が結婚したいっていうのよ!まだ大学卒業してないのに』


『今すぐって事?』


『だからあなたに相談なのよ…大学もやめるって…』


美沙子は20歳になったばかりの妹である。いったい何があったんだろうか