会社が休みに入った


俺はぼんやりとベットで寝ている


ここしばらくご飯も喉を通らない…


花乃子はあの後パーティーに行ったはずだ


仕事であろうと、あの男は気になる


完全に心を許した笑顔…

そんな俺の元に亀岡からとんでもない電話が入ってきた


『なあ…長谷川…言いにくいんだけどな…』


『なんなんだよ』


『俺、今日彼女と映画観てきたんだ…それでな…花乃子ちゃん見かけて…』


『年上のロン毛の男とだろ?』


『いや、違うよ。年は花乃子ちゃんくらいでちゃらかったなー。多分ナンパでもされたんじゃ…』


若い男?


ナンパ?


俺はひっくり返りそうになった


なんちゅうわがままな女!そんな女に俺は振り回されてる!


別れて間もないのに、年上男に、若い男!俺にはなんの連絡もないくせに

…俺がとやかくいう事じゃないが…男ってのは情けないな


いやいや俺が情けないんだろうな


ふと谷口しのぶの顔が思い浮かんだ


そして彼女と花乃子の顔がダブった


自分の人生に向かって突き進む女…なんてたくましいんだろうと