荷物をトランクに入れて、 アタシは助手席に乗った。 カーステレオからは、 ヨシの好きだった曲が流れていた。 「消して」 「…え?」 「消してってば!」 母を困らせたいわけじゃないのに、 気持ちを上手くコントロールすることが出来ない。 「ママ、 アタシ転校はしないから」 アタシは運転する母に背を向け、 そのまま眠ってしまった。