アネモネ*~風、君を愛す~



本当に悲しいと、

涙が出ないって誰かが言ってた。

永遠の眠りについたヨシを前にしても、

アタシの目から涙が零れることはなかったんだ。


「ヨシ、ありがとう。
アタシね、とっても幸せだったよ。
たった1年だったけど、
ヨシの側に居れて幸せだった。
ヨシのこと、一生忘れない。
だからヨシもアタシを忘れないで…」


この時のヨシの顔は、

アタシには笑っているように感じた。

きっとヨシからのメッセージ。


「泣くな、紗那」


アタシはヨシの唇に、

最後のキスを落とした。


「…ヨシ」