王子と姫が出会いました。

ひとしきり泣いた蘭ちゃんの目が赤い…。



こんな時、なにを言えばいいのかわからない自分がイヤになる…。



「フラれたんだよね、あたし…」

「えっ!?社会人の…?」

「うん…。って言うかさ、学校行き初めてからすれ違ってばっかりで…」



蘭ちゃんの彼氏は1つ上の人だったみたいで、高校に行かずに働いてたらしい。



連休に仲直り旅行を計画してたらしいんだけど、直前のケンカでそれも流れ…。



仲直りしに家に行ったら別の女の人との真っ最中を見たんだとか…。



「どっち取るの?って聞いたの…」

「そしたら?」

「甘え上手な女がいいって。あたしってこんな感じだからさ、愛情を感じないみたい…」



『あたしなりに、すごく好きだったのにな…』



そう言った蘭ちゃんの顔はすごく寂しそうだった…。



蘭ちゃんはちゃんと女のコだね。



強い人だとばかり思ってたけど、ちゃんと弱いとこもある。



それをあたしなんかに見せてくれたことを、不謹慎にも嬉しいと思った。