俺が城野 王子じゃなく、他の名前だったら姫に話し掛けたりしなかったかも。



姫タイプの静かな女とは遊ぶ気すら起きなかったから。



だけど知れば知るほどカワイくて。



今じゃメロメロを通り越してデロデロだ。



「いい名前だな、姫」


「カワイイですか?」

「うん、『姫』って呼ぶの大好き」

「あたしも『王子君』って呼ぶの、大好きです」



姫にそんなふうに言われたら自分の名前すら、好きになれそうだ。



世間では笑われたりするけど、そんなのもう気にしない。



やっぱ、王子の彼女は姫でしょ。



超運命的。



「できましたっ!!」

「よ~し、俺は帰るからな」

「お勉強ですか?」

「現役合格したいんで。それにここにいたら朝までコースになっちゃう」

「それは困りますね!!ありがとうございました!!」



温かい姫の家から出て、自分の家へ帰った。



ソファーに座ってる金髪と茶髪がテレビを見てて。