俺を呼んでよかったな。



「姫の成長したとこは、人付き合いができるようになったとこ」

「はい!!王子君のおかげです!!」

「他は?なんか自分的にねぇの?」

「心からの信頼関係を築けたとか…」

「他」

「ん~…。社交性も増えたし、強く逞しくなりました!!」

「よし、書け」



丸っこくてカワイイ字がツラツラと紙に書かれて行った。



とにかく姫は成長したと思う。



俺も少しは大人になれただろうか…。



「3年ってあっという間だったな」

「そうですね」

「いつになったらその口調やめんの?」

「やめ…られなくなってしまいました…」



まぁ姫らしくていいけど。



おねだりする時とキレた時だけ普通に喋るからわかりやすいしな。



『天野 姫』



レポートに書かれた名前を見て、なんだか懐かしくなった。



始まりはこの名前から。



自分の名前が嫌いだったのに、姫に出会ってから不思議とそんなこと思わなくなってた。