あたし、王子君じゃなきゃダメだよ…。



キスするのもそばにいるのも…。



やっぱり王子君じゃなきゃ満たされないみたい…。



「平岡は俺に任せて。もう姫をアイツに会わせたくないし」

「でも…」

「最悪、姫と一緒に会う」

「はい…」



絶対譲らないだろうな…。



あたしは従うしかないと思う…。



独占欲、すごい…。



「王子君は何人と…」

「さぁ?覚えてない。だけど、お前じゃなきゃ俺は満たせない…」

「はい…」



嬉しいことばっかり言われてる…。



だけど前みたいに甘えたりしてもいいのかって気持ちが…。



ちょっと罪悪感と申し訳なさがありすぎて…。



「俺もごめん…」

「えっ?王子君は悪くない…」

「傷つけたじゃん。嫌われたら楽になると思った…」

「嫌いになれたら楽ですね…、でも好きでいてよかったです…」



あたしは王子君じゃなきゃダメみたい。



心も体も、王子君の虜になってて逃げられないから…。