王子と姫が出会いました。

ラーメンを見たら姫を思い出す。



季節外れで売ってるミカンを見ても。



テスト前にはやっぱりハラハラしてしまって…。



当たり前のように姫のことを考えてる。



好きな気持ちはきっと減ってる。



どうしようもなくウジウジしてる自分も、先に踏み出そうとしない自分にも嫌気がさす。



「どこ行くの?今日休みでしょ?」

「ちょっとドライブ」

「俺も連れてって!!」



3年に上がってすぐに取った免許。



今は会社の車に乗り放題で、かなり楽させてもらってる。



彩とのドライブはただ熱いだけ。



陽射しがヤバい…。



「王子君はさ、姫先輩と戻んないの?」

「なんでそんなこといまさら聞くんだよ」

「最近落ち着いて来たからもう姫先輩のこと忘れたのかな~って」



忘れてねぇよ。



忘れる努力もしてねぇ。



目先のことに集中してるだけで、俺は落ち着いた気もしてない。



「じゃあヒマで顔は中の上くらいの食える女紹介して?」

「俺の友達は食わせないって」



忘れたいのか、忘れたくないのかわからない…。