王子君も悩んでるんだって考えもしなかった。



自分のことで精一杯で…。



最低な人間だと思われたかも…。



でも止まらなかった。



「支えてあげたらいいよ。あたしは知らない」

「俺にとってもナツカの親父さんは大事な人なんだ…。わかってくんねぇ?」

「わかんない!!今のあたしには…なに言ってもムダですから…」

「姫っ!!」



頭冷やさなきゃ…。



屋上に繋がる階段のいちばん上で泣いた。



あたし最低…。



自分のことしか考えてない…。



「おっと…先客」

「あっ…」

「どうした?なんで泣いてんの?」



3年生だ…。



隣に座った先輩は街で配ってるようなティッシュをくれた。



「姫ちゃんでしょ?」

「知って…」

「まぁ有名だからね」

「あっ、あたし…行きます…。ありがとうございました…」



あの時の噂だ…。



メールで回ったヤツ…。



逃げようとした。



「信じてねぇよ!!俺が行くから姫ちゃんはここにいるといい」



弱ってる時の優しさって…卑怯です…。