王子と姫が出会いました。

明け方に目が覚めた時、彩がドアの前でプリンを抱っこしてた。



「4時って…オイオイ…なんだよ…」

「寝かせてくれない…。寝ると頭ガジガジって噛み付かれる…」

「瑞紀にやれ…」

「うん…」



半泣きの彩は瑞紀の部屋にプリンを解き放った。



じゃ、おやすみ…。



まぁ瑞紀の犬みたいなもんだしな。



いつも通りの時間に起き、リビングに出たら彩が爆睡してた。



瑞紀の部屋をチラッと覗くと一緒に就寝中…。



彩と寝たくなかっただけじゃん…。



犬同士、通い合うものでもあるんだろうか…。



基本的に干渉しない生活のため、遅刻するなら勝手にすればいい。



あえて起こさない。



ひとりで準備をして学校へ向かった。



少し早めについた学校で姫が来るまで寝る。



ユサユサと体を揺すられて顔を上げたら姫の顔…。



「寝不足ですか?」

「姫ってワンコ好き?」

「わ、ワンコ?あんまり得意じゃないですね。吠えますし」

「飼うことになった」

「犬を…ですか!?」



好きじゃねぇのか…。