王子と姫が出会いました。

でも残念なことに部屋には穴を掘れません。



だから代わりにバスタオルに隠れました。



なにも言わないでほしい。



恥ずかしくて泣きそうだよ。



「気にすんなよ」

「気にします…」

「なに、ソレ。ミノ虫姫?」

「違います。これは穴です。今、入ってるんで」



素直に家に帰ればよかった…。



あたしのバカ…。



本当にバカ~!!



「そんなに気にすることか?」

「だってパンツ…」

「じゃあ俺のも見る?」

「へっ!?や、ヤダ!!」

「うわっ、即答。それよりマンガ読んでいい?」

「好きにしてください…」



しばらくそっとしといてくれたらありがたいです…。



部屋の角で丸くなるあたしと対称的に、王子君は少女漫画を読み出した。



静かな空気がいやでテリビを着けても王子君は本に集中。



きっと今日も両親は遅い…。



今はふたりだけ…。



まずは制服、湿っぽいから着替えよう…。