王子と姫が出会いました。

そんなライアンは珍しく俺の両親の話しをしはじめた。



「お前には厳しくして来たな…。シキの夢だったんだ、息子に自分のあとを継いでほしいってのがな」

「初めて…聞きました…」

「親子で同じ仕事ができたら楽しいんじゃねぇかって飲みながら言ってた」



久しぶりに親父の話しをしてるかも…。



懐かしいな、なんか…。



ライアン見てるとたまに親父と被るんだけどさ。



「俺はシキの後を引き継いだだけに過ぎない。お前が立派になるまでは引退する気もないしな」

「それは父の夢を叶えるため…ですか?」

「まぁそうなるな。それに、今冬次があっちで教育してるのは俺の息子だ。いずれ会わせたいと思ってる」



それって…俺の親父とライアンは同じ夢を持ってたって意味で…。



この人は俺の将来のために家族を置いて日本に来たんだと初めて知った。



いまさら有り難みに気付いた…。



「なんか守られてるんですね、みんなに…」

「ずいぶん変わったぞ、王子」



そう言って笑ったライアンは初めて俺の名前を面とむかって呼んでくれた…。