そんな彩に構ってる時間もねぇんだった…。



「スーツなんか着てどこ行くの?そのスーツ超カッコイイんだけど」

「お前と違って仕事してんの。ここにあったファイル…」

「そこにしまったけど」

「俺の仕事のもんには触んなよ。じゃあな」



下駄箱から靴を出し、時間を確認。



今日は迎えなしだから急がなきゃやべぇな…。



「王子君の部屋使っていい~?」

「俺のベッドでヤったら追い出す」



急いで家を出て、走って会社に向かった。



会議までには間に合った…。



「おい、遅いぞ」

「申し訳ありません」

「早く座れ」



相変わらず厳しいライアンの元で働くのもだいぶ慣れた。



今の所親父は帰ってこれなくて、いつの間にか俺に妹が生まれてた。



写真見たけどスゲーかわいかった…。



「お前、そろそろショップに出てみるか?」

「えっ!?私…ですか?」

「なにかと勉強にもなるだろう。来週から学んでくるといい」

「はい」



行きたくなかったショップに回されるのか…。



販売員っつーのは向いてる気がしなくて…。