教室を出て行った王子君に、まだイライラが治まらないあたし。



気遣った斎藤君が話しかけてくれた。



「城野にあそこまで言えんの、天野くらいだよな」

「斎藤君も結構言うじゃないですか…」

「俺は別に思ったこと言うだけだ」



斎藤君、いい人だなぁ…。



王子君のことをわかってくれてるひとりだ…。



貴重な人材ですよ、斎藤君は。



そんな斎藤君と話して少し落ち着いた頃に戻ってきた王子君はやっぱり怒ってる。



「王子、今日ヒマならカラオケ行かない?」

「…………行く」



えっ!?



なに言ってるの王子君…。



女のコの誘いにこんなにも軽く乗るなんて…。



ヤバっ、泣きそう…。



「じゃあ放課後ね」

「ウソ!!行くわけねぇだろ!!ごめん、姫…。マジでごめんなさい…」



ペコッと頭を下げた王子君にジワッと目頭が熱くなった。



王子君、あたしもちょっとごめんなさい…。



「バカって言ってごめんな?」

「あたしも…ごめんなさいっ…」

「超好き、姫」



その笑顔をいつまでも見ていたいと心の底から思った。



痴話喧嘩もたまには…ね!!