王子と姫が出会いました。

きっと姫が嫌がるから手も繋がない。



隣を歩く姫は肩にカバンをかけて、傘を引きずってる。



「降りそうですね」

「天気予報、雨?」

「午後から60%でしたよ」

「じゃあ尚更お前の地元だな」

「えっ…い、今から…?」

「なんか問題でもあんの?」

「い、いえ…」



姫がなんでこんなに遠い学校に通ってんのかなんて知らない。



もしかして訳ありだったのか?



「イヤなら別にこっちで遊ぶけど…。雨降ったら帰んの大変だろ?」

「それなら王子君も同じです!!」

「俺はいいの。姫より体力あるしな」



まぁとりあえず行ってみるか。



電車に乗って4つ目の駅。



チャリ置場には姫の白い自転車があった。



ここから1時間…。



不便すぎんぞ。



「街に行く」

「じゃあまず自転車、家に置きに行きます」



姫んち!!



歩いたらきっと倍はかかるだろう道を2ケツで走った。



初めてかも、チャリのケツに女がいるって…。