でも今の俺には姫を養えるくらいの稼ぎもないし、度量もない。



しっかりしなきゃ…。



いちばん不安なのはきっと姫だから…。



「お前が親になるっつーなら、それなりに仕事は手伝ってもらう」

「えっ?」

「俺もそろそろ長期であっちに飛ぼうと思ってたからな」



あっちってのは多分アメリカ支社…。



しばらくいなくなんの?



なぜか急に不安になった。



「でも学校は出てもらわなきゃなんねぇな…」

「それって産んでも?」

「俺が決めることか?違うだろ。まず王子、死ぬ気でやれ」

「学校と仕事の両立…」

「大学は諦めるとして、まずは高校だけは出てくれ」



『お前に逃げられたら大損害だ』



そう言って笑った親父…。



この人、やっぱりスゲー…。



「でも甘やかさねぇからな。親として助けてやることはできるけど、それはお前達が死にかけた時だ」

「ありがと…」

「兄貴に怒られっかな~…。好き放題やらせた結果か…」



俺の親父は最高だ。