王子と姫が出会いました。

もう決めた。



なにがあっても、たとえ俺が死のうが姫だけは守る。



「いい方向に向かわせる。だから信じてくれる?」

「いつも信じてます」

「ありがとな、姫…」

「王子君は寝てください。あたし、去年もインフルエンザにかかったから大丈夫かもしれませんよ?」



姫の言った通り、姫にはうつらなかった。



瑞紀も蘭子も大丈夫で、俺だけバカみたいに寝込んでた。



看病してくれた姫は、俺の熱が下がってから家に帰った。



静香、俺はお前を許したくない。



お前がぶち壊すっつーなら、俺もお前を壊すまでだ。



学校に復帰してからまず呼び出したのは静香。



「ちゃんと連絡して来たね~。このままバックレんのかと思った」

「お前と別れたいんだけど」

「あのコになにしてもいいってことね?」

「させねぇよ、俺が」

「ずいぶんな自信ね?」



自信なんかねぇよ。



でも俺が出来るのは、姫を手放すことじゃなくて守ることだから。



それしか手段はない。