あたしが好きな王子君はそんな目じゃない。



ニコッて笑って、優しい顔をする…。



声が出なくてなにも言えなかった…。



「いい加減にしろよ王子」

「うるせぇな蘭子。関係ねぇだろ」

「姫がどんな気持ちでいたかわかってんのかよ!!」



つかみ掛かった蘭ちゃんの腕を掴んだ。



もういい。



ここにいたくない。



「あっ、仕事もナシな?」

「…………」

「使えねぇんだよ、チビ」



王子君があたしを見下ろしてそう言った瞬間、思い切り頬をひっぱたいてた。



もう…大嫌い…。



嫌い、嫌い、嫌い。



荷物を持って飛び出した王子君の部屋。



蘭ちゃんが追い掛けて来てくれて、取り合えず家に帰った。



「姫…」

「もう…死んでしまいたいですっ…」

「そんなこと言わないでよ…」

「痛いよぉっ…。苦しいっ…」



この先、どうやって生きたらいいのかわからない。



王子君がくれた光が、全部真っ暗になったようで…。



あなたを失いたくない…。