いてもすることないんだよね…。



どうしよう…。



さっきチューとか言われたし…。



「ははっ!!また明日な、姫」

「あぅっ…」



困った顔をしてたらガシガシと頭を撫でられた。



なんでこの人はあたしの気持ちを読むんだろう…。



そんなに顔に出しただろうか…。



王子君の心遣いが痛いほど染みた。



「気をつけんだぞ?」

「はい…」

「で、気が向いたらメールしてな?」



へっ!?



帰り際に玄関で渡されたのはメモ用紙に走り書きされたアドレスだった。



あれ、なんか…嬉しい…。



「マジで気が向いたらでいいから!!」

「あのっ!!」

「ん?」

「き、昨日携帯もらったんです!!だから…教えたくないとかじゃなくて…あの…言い出せなかったのです…」



一瞬呆気に取られた顔をした王子君は『わかった』って一言言った。



その笑顔を見てたらこの人を好きになりたい。



正直にそう思った。