寝たふりを決め込むあたしに気づかずに話を続けるふたりに耳を傾けた。



「あのクソオヤジ、どこに捨てて来ようかと思った」

「ははっ!!俺なら海に沈める」

「蘭子になんかしたら?」

「まぁ、そんなとこ」



起き上がってしまいそうになった。



瑞紀君が…ちゃんと恋をしてます。



よかったね、蘭ちゃん!!



「それと同じ。姫のことになるとどうも…」

「惚れすぎ」

「知ってる。でも俺が穏やかでいれんのも姫がいるからだ…」

「王子らしくねぇんだか、これが王子なんだかわかんねぇな」



変わったんだ、王子君…。



あたしの存在が王子君を変えたの?



あたしも王子君を好きになってから強くなったよ。



「じゃあ寝るかな」



フワッと持ち上げられ、王子君のベッドに寝かされた。



無性に…愛しい…。



「王子君…?」

「起こしたか?わりぃ」

「コレって、たぶん…愛してます…」

「ありがと。それ以上言われたら食いたくなるからもう寝ろ」



あたしこそ、ありがとう…。