王子と姫が出会いました。

どうか無事にと、願ってから1時間、携帯には『冬次さん』の文字。



慌てて通話ボタンを押した。



「今どこ~?」

「ファミレスです!!王子君は…」

「大丈夫。でね、警察署にいるんだけど来れるかな?」



急いで向かった警察署。



そこで待ってたのは傷だらけの王子君と、涼しい顔をした冬次さん。



前に会ったシン君とキヨ君もいた。



その後に事情聴取をされて、初めて犯人の顔を見た…。



見たことのない中年男性…。



どうしてあの人が…?



「冬次さん、彼はどうなりますか…」

「傷害とストーカーの罪だね~。それに、姫ちゃんのアパートの住人らしいよ?」

「えっ!?そうだったんですか!?」



一応挨拶回りはしたけど…あんな人いなかったよね?



「挨拶に行った時も会ったことないです…」

「たぶん奥さんに会ったんだよ。よくやるよ、新婚のくせに」



驚愕の事実なんですけど。



なんであたしが既婚者に好かれなきゃならないんですか…。