王子と姫が出会いました。

電話を切った王子君は鋭い目つきのまま玄関に歩き出した。



「姫、コンビニ行くよ」

「王子…君?」

「うん、犯人見つかったから。姫は俺の後輩といて」



優しい口調だけど、声はこれでもかって程に低い。



正直怖いと思った。



「だ、ダメです!!王子君が悪いことするのは!!」

「姫っ!!」

「はい…」

「早くして」



なにも言えなくなった。



王子君も目を合わせなくて、今まででいちばん怖い…。



無言のまま家を出て、いちばん近いコンビニまで歩いた。



そこにいた学ランの男のコはふたりは初めてみる顔で。



王子君に深々と頭を下げるとこから、後輩君だと確信した。



「姫、コイツら渡辺と平尾。少しだけ一緒にいてくれるか?」

「ヤダ…ヤダ!!王子君と一緒にっ」

「言ってる意味わかんねぇ?少し待ってろって言ったんだ」



ゾクッと背筋が凍った。



あたしには向けたことのない冷たい目。



低い声…。



なにを言ってもムダだとわかった。