王子と姫が出会いました。

姫にだけ態度が違うとか、姫の前ではデレデレとか、姫に振り回されてるとかなら認める。



でも尻に敷かれてはいねぇよ。



「お、俺が手の平で転がしちゃってんのよ?」

「はぁ!?」

「俺が姫にベタ惚れだと思ってんなら間違いだ、蘭子」

「寝言は寝て言え、ヘタレ」



そうですね…。



でもとりあえず蘭子にはバレなかったからよかった…。



しばらくして鳴った携帯には姫からのメール。



『また無言電話です…』

『出たのか?』

『一応…。もうヤダよ…』



たしかに男の声だった。



姫になんかあったら…殺しちゃうかも。



「今のなにっ!?殺気!?なんか感じたんだけど!!」

「えっ?意味わかんねぇこと言うなよ蘭子」

「だよね…」

「それより、クリスマスどうする?どっか行く?」

「瑞紀と一緒なら…どうだっていいし。別に…特別に祝いたいイベントって程でもないかな」

「じゃあ何もしねぇか」

「し、してやってもいいけど?」



蘭子のツンデレはどうだっていい!!



なにもありませんように…。