王子と姫が出会いました。

蘭子に言ったらきっとハンパなく大事になる気がするし。



アイツのことだからたぶん自称従業員が動き出すことだろう。



それに蘭子が相当カワイがってる姫だ。



柳沢さんも姫の存在には感謝してると言っていたし…。



うん、蘭子にバレたらダメだな。



「瑞紀、今日から姫泊めるから」

「姫ん家行けばいいだろ」

「ストーカー的被害にあってんだ。蘭子には言うなよ?」

「マジかよ…」



だから後輩を動かす。



まず、姫んち周辺の見張り。



犯人を見つけたら俺に報告。



きっと警察の見回りよりも時間かけてくれるだろうし。



最終的にはアパートで防犯カメラの如く、バッチリ張らせようと思う。



「すぐにはバイトやめらんないから、店来るか?」

「先に帰ってたいです…。なんか最近疲れました…」

「じゃあカギ渡しとく。家にいりゃあ安全だと思うけど、なにがあっても玄関は開けんなよ?」

「はい」



姫の顔色が悪いような気がした。