王子と姫が出会いました。

でもやっぱり俺には叔父さんに迷惑をかけることしか考えられない…。



だって今まで以上に俺に縛られんだよ?



「自分の人生って考えないの?」

「考えてる。俺の人生にはお前もいるんだ」

「マジで結婚の時の障害になるからその申し出は受けられない」

「障害に思うような女なら、俺は結婚なんかしない」

「なんでそこまで俺によくしてくれんの?」



クルッと振り返った叔父さんはいつも見ないような顔をしてた。



これは親父が死んだときに見た顔…。



悲しそうで、今にも泣きそうな…。



「兄貴と一緒に仕事してて、それで生活が満たされてた。でも兄貴がいなくなって…俺にはこの会社しか残ってない」

「そんなこと…」

「女だって本気で欲しいと思わないし、俺はこの先ずっとひとりだ」

「俺がいるよ…」

「お前には迷惑な話か?」



そんなこと思ってるわけない。



逆に俺が叔父さんの重荷になるんじゃねぇのか?



俺は叔父さんを本当の家族だと思ってるのに…。



「王子、養子になれ」

「うん…」

「生活は変えなくていい。俺の籍に入ってくれるだけで。バイトもしなくていい、俺が全部面倒みるから」



それは負担になるような金額じゃねぇから心配するなと言われた…。



叔父さん、マジで親父みたいだ…。