でもあだ名もなかった姫に名前をつけるなんて至難の業…。



「社長につけてもらったら?」

「王子が兄貴の名前名乗るんなら、姫ちゃんは姉さんの名前名乗ったら?」

「母ちゃんの名前…」

「マリア」



俺が親父の名前をもらい、姫が母ちゃんの名前をもらった。



これできっと私生活はそれほど影響しないだろう。



「それにしても王子君と姫ちゃんなんて本当にドラマみたいなカップルだね」

「それ、気にしてます」

「あっ、申し訳ない」

「冗談ですよ。さぁ、始めましょうか」



撮影場所はリゾートホテルのプール。



叔父さんが作った夏服を着て。



白と黒のイメージが強いブランドで、姫のイメージではないけど…。



初めてこんなにメイクしてる姫に会った…。



いつもはフワフワのパーマなのに、まっすぐのストレート。



しかも黒髪で、真っ白なワンピース。



本当に人形みたいだ…。



「「カワイイ…」」

「叔父さん、まさか俺と同じ趣味?」

「姫ちゃんカワイイよな~…」



マジかよっ!!