その直後に帰ってきた瑞紀君から聞いた話しによれば、蘭ちゃんが休みだったから一緒にお昼を食べようとしたらしいです。



瑞紀君もあたしがいないことに気づかなくて、保健室だと思ったんだって。



でもいなかったからお昼はあたしの捜索をしてくれたみたいです。



「授業サボらせてしまいましたか?」

「それは平気。俺のクラス自習だった」



5時間は王子君、授業に出なかったみたいです…。



「心配かけやがって」

「瑞紀君が心配してくれたんですか?」

「そりゃあ一応王子の女だし…」

「蘭ちゃんの友達だし?」

「毎回思うんだけど、姫はいつも一言余計だ」



瑞紀君にも感謝です。



王子君は腹ぺこのあたしにカップラーメンをくれました。



「食わせてやるよ」

「はい…?」

「右手、ケガしてるし」



嬉しそうな王子君に、初めて恐怖心を抱いた。



食べられます!!



こんなのかすり傷ですから!!



「お気持ちだけいただきます」

「チッ…」



残念そうですね…。