王子と姫が出会いました。

なにが悲しくて4人の中坊にキャーキャー言われなきゃならんのよ。



今までだったら処女だけ食ってポイとかしてたかもしんない。



でも僕は変わったのだよ。



「瑞紀、蘭子にバレたらヤバくね?」

「俺がヤバイんじゃなくて、このコ達がヤバそうだ」

「確かに。蘭子ならコイツら山に捨ててきそうだな」

「姫は確実に泣くだろ」

「目に見えてんよ…」



とりあえずふたりでため息。



バレないようにしたいが、俺は姫にウソをつくのがイヤだ。



誠実でいるって決めたのを一度でも破ったら終わりのような気がする。



ウソに慣れたら、俺は姫を平気で裏切る気がしてならないから。



今までがそうだったから、余計に姫には誠実でいたい。



「わりぃ、帰る」

「なんで?ノリ悪いっス」

「キヨもシンも変わってなくて安心した。学校で待ってっから受かれよ?」

「うぃ~ッス」



この場にいるのは姫に対する裏切りだ。



だから俺はちゃんと帰る。