王子と姫が出会いました。

膝の上にあたしを乗せた王子君はカードをあたしに持たせてる。



あたしの耳を触ったり、髪を撫でたり。



恥ずかしいんだけど…。



そう思ったドアが開いた。



長い髪を適当に結んだ男の人がいます。



王子君には負けるけどカッコイイ…。



「蘭子じゃねぇか」

「おじゃましてまぁす」

「あっ、俺のコーヒー!!おい、お前買って来い」



理不尽な人だなぁ…。



後ろにいる女の人にそう言ってるよ。



しかも女の人も笑顔でどっか行っちゃうし…。



「天野 姫だ。ん~、やっぱカワイイ」

「へっ!?」

「俺、佐和 エイジ。今んとこ王子に負けなし」



ニカッと笑う佐和先輩という人。



ペコッと頭を下げた。



軽そうな人です…。



「気にしないでいいから。佐和先輩はなにしに来たわけ?」

「さっきの女とエロいことしに来たんだけど。お前ら邪魔だな」



奥にあったひとり掛けソファーに深く座り、タバコに火を着けた。




タバコ臭いとは思ったけどこんなに堂々と吸ってるとは…。