王子と姫が出会いました。

いやいや、これは姫が俺の気持ちを無視して煽った罰だ。



頭にきたんだな、たぶん。



俺はいたってノーマルだから。



「ごめん…なさいっ…」

「なんで謝んの?」

「なにされてもいいって…。でもっ怖いっ…」



なにされてもいいって言ったけど、やっぱり怖いと?



できねぇなら言うんじゃねぇよバカ。



わかってる。



わかってっからモヤモヤしてたんだ。



「なんもしねぇよ。怖がらせてごめん」



押さえ付けてた腕を解放してから流れる涙を吸い取った。



体が強張ってる。



「嫌いになった?」



そう言ったらギュッと抱き着かれた。



シクシク泣いてる姫を優しく抱きしめて、そのまま枕まで引っ張り上げた。



腕枕する形になった俺の胸に顔を埋めて抱き着く姫。



髪を撫でて、背中を摩ると多少落ち着いたらしい。



「ごめんな、怖がらせて…」

「あたしが悪かったです…。でもキスしたかったんだもん…」



ハァ~…やっぱり最高にカワイイ…。