王子と姫が出会いました。

嬉しくてずっとニコニコしてた。



テレビを見ても、トイレに行っても。



なんだか世界がキラキラになったみたい…。



「姫、さっきから嬉しそう」

「嬉しいです。王子君といるから」

「カワイイこと言ってくれんな。はい、抱っこ」



ソファーに座る王子君の膝の上に座り、向かい合った形で抱っこされる。



肩に顔を埋めると、王子君のニオイがするのです…。



でも今日は新しいTシャツのニオイ…。



「コレ、イヤです…。王子君のニオイじゃない…」

「買ったばっかりだからな」

「ねぇ、王子君?」

「なんスか?」

「へへっ…。好きです。大好きです」

「首元で言わないでもらいたいね。すっげぇくすぐったいっ!!」



好きがいっぱい溢れるんです。



言葉にしないと苦しくなって、窒息しそうなくらい。



好き好き好き。



王子君、大好き。



「姫、ちょっと降りて」

「イヤ」

「トイレ行きたいんだけど」

「ダメです。まだ我慢しなさい」

「姫って若干サディスティックだな…」



離れたくないだけです。