王子と姫が出会いました。

急に話しかけた俺が悪いのかもしれないけど。



「傷口、軽く洗いな」

「痛いです~…」

「手当てしてやるから。これで押さえとけ」



案外深い傷を消毒して、血を止めて…。



ずっと俯いてる姫にちょっとイラッとした。



「いつまでも優しい俺だと思った?」

「えっ?」

「我慢してることだってある。嫌われたくねぇし、泣かせるなんて絶対イヤだからやらないだけで。姫はそういうの考えた?」



また俯いた姫は首を横に振った。



チクッと胸が痛んで、姫を困らせてる自分がイヤになる…。



仲直りして抱きしめたいのに…。



気持ちを伝えないですれ違うのはもっとヤダ。



「焦ったりしてんじゃねぇよ?姫のペースに合わせてやりたいし」

「ごめんなさい…」

「でも、俺だって我慢してんの。それはわかってくれる?」

「はい…」

「ごめん、ムリさせました…」

「だ、大丈夫です!!恥ずかしかったの…」

「そっか。好き?」

「大好きです!!」



俺も大好きだっ!!