王子と姫が出会いました。

閉めたのは浴室のドア。



ビチャビチャの姫に近付き、姫の濡れた前髪をかきあげた。



「な、なに…?」

「掃除、手伝う?」

「あとは流すだけだからだ、大丈夫!!」

「怯えてんの?カワイイけど」

「王子く…ん?なんか怖いです…」



姫のニオイがする…。



大好きな姫がいる…。



「キスして、姫…」

「えっ…。なんで…?」

「食ったりしねぇから。ちょっとだけ…味見」

「んっ!?んんんん~!!」



姫にはこんなキスしたことなかったなぁ…。



4月から付き合って、もうすぐ8月だ…。



何ヶ月我慢したよ。



舌くらい入れたって罰は当んねぇよな?



「王子っ…んっ…」



たまんねぇ~…。



食わねぇからもう少し…。



「もうヤダッ!!苦しいっ!!」

「ごめん。悪気はありました」

「いつもと…違ぁう…」

「いつもしてんのは挨拶っつーんだ。今のは好きな人にしかしない特別。ごちそうさまでした」



真っ赤な顔の姫を浴室に残して部屋に戻った。