俺の手を握る小さい白い手の主は、ゆったりTシャツにミニスカートで。



中に着てるタンクトップは派手。



今日はブレスレットがジャラジャラついてる。



ヒールのないペタペタのサンダルが姫っぽくて好き。



「旅行行きたかったな…」

「それはダメです。王子君にばっかり頼りたくないので」

「もっと甘えたらいいだろ…」

「あっ、王子君っ!!アレ!!」



目がキラキラしてる姫の指差したもの。



最近できたラーメン屋。



「並んでんじゃん…」

「ラーメン…」

「他のとこにしねぇ?」

「ヤダ」

「たまにワガママだよな、姫って…」

「うん。アレ食べる」



珍しくタメ口の姫はワガママです。



炎天下の中並べっつーのか…。



でも姫の望むことはしてやりたくなっちゃう彼氏心で、長蛇の列に並んでます…。



「あぢぃ~…」

「汗かいてないですよ?」

「かかない体質なもんで…。お前平気そうだな…」

「王子君が陽射しを遮ってくれてますから」



俺で日陰かよっ!!