【王子】



俺、復活…。



自宅謹慎中は姫がずっとそばにいた。



信用がなさすぎて、マジでショックだったけど…。



それでも信じてくれるヤツは信じてくれる。



それでいい。



それだけでいい。



「はい、王子の番」

「じゃあ…ここ~」

「このクソボケが!!」



学校に復帰した俺は現在、蘭子と授業をサボり空いてる家庭科室でリバーシ中。



昼メシを賭けてるのでかなり本気の戦い。



「姫、元気ねぇな」

「まぁ家庭の中も暗そうだしね」

「なんとかしてやりてぇけど…」

「あたしらの出る幕じゃないんだよ」



そうなんだよ…。



俺達がでしゃばってもどうにもなんねぇの。



「姫の誕生日だよな」

「祝ってあげようか」

「お前と俺?」

「瑞紀も強制参加っしょ。よし、この列総取り~!!」

「残念、ここに入れたら巻き返し~」

「腹グロ王子!!」



瑞紀もってか…。



蘭子の口から瑞紀の名前が出るとはな…。