王子と姫が出会いました。

制服が乱れまくってるよ…。



いつもはあたしより大人で、笑ってばっかりなのに…。



今の王子君は傷付いた子供みたい…。



「王子君…」

「姫…」

「保健室、行こう?血が出てる…」

「…………はい」



おぉ!!



止まってくれた!!



みんなの視線を一身に浴び、人だかりを抜けて保健室にやって来た。



たぶんあとは瑞紀君が対処してくれると思うので。



あたしは王子君のそばにいたいんです…。



「あららっ!!ブレザー脱いで腕捲りなさい!!」



保健の先生が手当てをしてくれてる…。



王子君はなにも言わずにただ俯いてた。



血のついた白いシャツを見ると胸が苦しくなって…。



王子君…どうしたの…。



「これは応急処置よ」

「病院ですか!?」

「今から行きましょ」



王子君はなにも話さないまま、病院に行くことになった。



そばにいてあげたいと心の底から思い、ムリにお願いしてあたしも病院に向かった。