王子と姫が出会いました。

【姫】



『姫っ!!王子がっ…』



瑞紀君の慌てた声を聞いたのはお昼休みの終わりかけだった。



慌てて向かった職員室。



無理矢理人だかりを抜けると、そこにいたのは数人の先生に取り押さえられてる王子君だった。



王子君が…暴れたの?



「落ち着け城野っ!!」

「やってねぇんだよ、俺は!!」

「わかったから、わかったから暴れるな!!」



若い先生になだめられてる王子君の手からは血がポタポタと落ちていた。



花瓶が割れてて、先生の机の上もグチャグチャで…。



なにがあったの…。



「姫なら止められるかも」

「えっ!?あたしがっ!?」



瑞紀君にグッと腕を掴まれて職員室に放り込まれた。



み、瑞紀君っ!!



どうしろって!?



「危ないから下がりなさい!!」

「でも…王子君が…」



あたしがそう言った瞬間、冷たい瞳がこっちを向いた…。



王子君のこんな目、初めて見るよ…。