王子と姫が出会いました。

姫が泣いてた…。



俺はなにもしてやれない…。



蘭子もこの話しを聞いたらしく、とりあえずふたりでヘコんだ。



「行くとこないならうちに来ればいいんだ…」

「蘭子んちなに屋だよ…。噂でチラッと聞いたけど」

「純粋な任侠一家だよ。あたしが時期4代目だよ。文句あんのかよ…」

「そんなとこに姫はやれねぇ!!」

「わかってる!!でも可哀相だ…」



蘭子はやっぱり話しがわかる。



今、お前と友達になれてよかったと思った。



「母親に着いてくなら転校かもって言ってたよ」

「ないわ。ソレ、ないわ…」

「今より遠くなったらさすがに通えないから仕方ない」

「そんなのムリでしょ、俺が!!」

「あたしもヤダよ!!」



姫はどうなるやら…。



頼むから離れないでくれ~…。



なんて願っても、姫が幸せな道に進む選択なら、俺は涙を飲んで背中を押してやりたい。



「俺泣きそうだ…」

「気持ちわりぃ、王子…。泣くなら姫の前で泣いてよ…」



俺ができるのは…姫の幸せを…心から願うしかないんです…。