王子と姫が出会いました。

他愛もない話しをしてたら5階に着いた。



『城野』



そう書かれた表札のある部屋を開けた王子君。



先に中に入って靴を脱いだ。



いい匂いがする…。



バニラかな…。



玄関の靴箱の上にカギを置き、奥に進んで携帯と財布をテーブルに置いた。



部屋の中は茶色で統一されてて、暖かみを感じる。



王子君って几帳面なのかも…。



ちゃんと整頓されてる部屋だよ。



冷蔵庫を開けた王子君がこっちを見た。



「グレープフルーツと炭酸とコーヒー。どれがいい?」

「じゃあグレープフルーツで!!」

「あいよ」



テレビ大きい…。



それにワンルームかと思ったのにまだ部屋はあるみたい。



王子君ってお金持ちっぽいなぁ。



「座れよ」

「あっ、うん」

「はい、ジュース」

「ありがとう!!」



そう言ったら王子君に目を反らされた。



なんかカワイイよ、やっぱり。



「どうしてあたしなんですか?」

「あ!?」

「どうしてあたしを彼女(仮)にしたのかなぁって」

「し、らねぇ…」



やっぱりカワイイ!!